2011/10/14

伊豆断食ウィーク・6日目:海へ

7時半起床。いろんな種類の嫌な夢を見たような気がする。深く眠ると変な夢を見ることが多い。眠気覚ましにお風呂につかって気分をリフレッシュする。8時体操。今日は私一人。隣室の女性は貧血気味で体調が優れないらしい。8時20分、物療。今日はウォーターベッドとアルファコイルの2つで軽めに済ませる。昨日あたりからずいぶん人が少ないと思っていたら、明日から貸し切りになるためその前の客を取らないようにしていたそうだ。うまいタイミングで予約が取れてラッキーだった。

9時から1時間、自室で仕事の電話会議に急遽出席。現実に引き戻されるような気持ちになる。今日はよく晴れているからどこかに出かけたいところだけど、仕事量を考えると散歩できれば御の字かなぁ。

と思っている間にお食事の時間。今日の朝食メニューはこちら。








青菜うどん、野菜ジュース、ヨーグルト、合計405kcal。わーい! 食堂には滞在期間に応じたメニュー表のファイルが置かれていて、いつでも見ることができる。「明日はこれを食べられるのか」と楽しみにできるわけだ。青菜うどんと聞いて、普通の白いうどんに青菜のおひたしが乗ったものを想像していたので、この具だくさんっぷりはまさに嬉しい誤算。しいたけ、にんじん、薄揚げ、車麩、ほうれんそう、ネギに、青菜を練り込んだ平たいうどん。朝からボリュームたっぷりです。昨日から食事時間には私ともう一人の女性しかおらず、その人は私の次の日からのスタートなので当然こちらのメニューが豪華になる。あまり刺激しないよう、なるべく音を立てないよう静かにゆっくり食べる。普段は麺類はほとんど流し込む感じで少し噛んだらすぐ飲み込んでいたけれど、こうしてゆっくり噛んで食べると満足感が増す。具それぞれの食感を楽しむ。あっさり味のおだしも関西人の口に合う。そして甘い野菜ジュース。これ美味しいわぁ。飲むヨーグルトは無糖だけど、砂糖を入れたいという気にはならない。おなかにたまる感じも嬉しい。じっくり味わって30分ですべていただきました。

昼間に少し散歩したいので、食事後は真面目に仕事に励む。食事がしっかりしてきたせいか、集中力も増しているように感じる。気のせいでもそう思えれば十分。

午後2時、伊豆高原駅まで車で送っていただく。明日の出所後、午後に東京で講習を受けるので早めに切符を買っておく。「帰りは散歩がてら歩いて戻ろうと思うんです。30分ぐらいですよね?」と施設の方に聞くと、駅の裏手から海に向かっていくと橋立吊橋があり、そのあたりがハイキングコースになっているという。せっかく歩くならそういうところがいいので、帰りも迎えに来ていただくことにする。駅に着いてみどりの窓口に行くと、2つの窓口に50人以上の、研修帰りらしきサラリーマンの長蛇の列。げんなりして先に吊橋に向かうことにする。

駅から15分ほど、川沿いに海に向かってなだらかに下る小道を歩くと、森の中に海への眺望が開ける。黒い、柱状の角張った断崖絶壁が見える。このあたりは、昨日リフトで登った大室山が四千年前に噴火したとき、溶岩が海に流れ出し、冷えて固まり海の浸食で削られてできたという。









橋立吊橋は長さ60m・高さ18mの小さな吊橋。よかった、あんまり高くなくて。この辺りは城ヶ崎海岸駅まで海沿いにピクニックコースが続いていて、そちら側には門脇吊橋という、長さ48m・高さ23mのもっと有名で人気の吊橋があるそうだ。ときどき二時間ドラマの撮影もあるらしい。高所恐怖症の身としては、高さほどほどで人が少ない分揺れも小さいこちらで十分です。









橋を行って帰って、さて駅に戻ろうかと思っていると「海への降り口こちら」という看板が目に入る。せっかくここまで来たら、と降りてみることにした。自然の地形を活かした階段状の細い道を下ると、わりとすぐに海のすぐそばに出た。黒い岩が天然の階段のようになっている。海の色は深緑で透明度が高い。あいにく午後からの薄曇りでクリアには見えないけど、夏の快晴の日なら鮮やかなエメラルドブルーが黒い岸壁に映えるだろう。









地形の物珍しさに同じような写真を何枚も撮り、十分堪能してから帰路へ。この上りがかなりキツい。朝の青菜うどんのエネルギーを一気に消費した気がする。少し脇道にそれると、さきほど横を歩いてきた川が滝になって海に流れ込んでいるのを見ることができた。








駅に戻る頃には一時間を軽く超えていて、思いがけず良い運動になった。みどりの窓口で明日昼発のスーパービュー踊り子号と熱海からのひかり号のチケットを買う。電話で迎えの車をお願いし待ち合わせ場所に行く途中、丼屋さんの前を通った。店先に伊豆高原ビールのサーバーがあり、「テイクアウトできます。お気軽に声をかけてください」と書かれている。思わず気軽に声をかけそうになったがそこをグッと我慢する。運動後の今飲んだらさぞ美味しいだろうなぁ…。

施設に戻ったのが夕方4時前。サクサクっと仕事を進め、終わったところでちょうどいい具合に5時。夕食の時間です。本日のメニューはこれです。








七分粥(玄米)、味噌汁(かに、豆腐、わかめ)、焼き鮭、梅干し、ところてん、合計340kcal。豪華~!お粥もここまでくると米粒の存在感が段違いです。味噌汁はかにのダシがよく出て、わかめの味も濃く食べ甲斐十分。普段食べるかにすきに入っていれば鍋に最後まで残っているような細めのかにの足も、ここでは主役を張っています。そしてこの鮭の脂ののり具合が最高。久しぶりの脂はやっぱり美味しかった。皮がまた美味しいのよね。梅干しが間違ってか二粒入っていたのも嬉しかった。すべていただくのに40分かかりました。ごちそうさまでした。

部屋に戻り、ベッドに寝転がって「あぁ、ごはんおいしかったなぁ」としばし幸福感に浸る。すべてごくごく薄味なのできっと普段の舌で食べれば物足りなくて塩をかけたくなると思うけど、ここでは具材それぞれの味がよくわかって楽しい。すっぴんのほうが可愛い、という感じか。違うか。

7時、予約していたアロマリンパマッサージを受けに本館のアロマ室へ。ふともも~足裏つぼのリフレ30分とヘッド・二の腕20分。気さくな先生で他愛ない話をして笑いながら、指先でゴリゴリと念入りにマッサージしてもらう。やはり肩や首のコリが相当しつこいとのこと。「いつも前のめりで仕事してるでしょ?」と言い当てられる。肩が内側に向いて固まっているそうだ。まぁ毎日10何時間パソコンに向かっているから仕方ないけれど、たまにこうやってしっかりほぐしてもらうと目がスッキリして視界が開けるような気がする。すごく腕の確かな良い先生で、この施術を受けるためだけにでもまた来たいと思うほどだった。

マッサージの後はお風呂へ。今日も貸し切り。今日は露天はないけれど、内風呂と露天の間は壁ではなく大きなガラスになっているので外の木々が見える。もう明日帰るのかと思うと名残惜しい。ここ来て良かったなぁ、と思いつつゆっくりと温まる。